à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

『現代思想』5月号に寄稿

 4月27日発売の『現代思想』2015年5月号(特集=精神病理の時代)で、内海健さん、千葉雅也さんと一緒に行った「自閉症スペクトラムの時代 現代思想と精神病理」という鼎談を掲載していただいています。

 本鼎談では、拙著『人はみな妄想する――ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』の執筆の背景からはじまり、千葉雅也さんの『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』とのある種の近さについて、そして現代のメンタリティについて、等など様々な論点が議論されています。その他の論考も、とても興味深いものばかりです。
 『人はみな妄想する』の副読本として、そして、精神病理と現代思想のあいだで行われている思考のカタログとしてご覧になっていただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いします。


http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791713004


現代思想 2015年5月号 特集=精神病理の時代 -自閉症・うつ・普通精神病・・・
現代思想 2015年5月号 特集=精神病理の時代 -自閉症・うつ・普通精神病・・・

人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-
人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-

さまよえる自己―ポストモダンの精神病理 (筑摩選書)
さまよえる自己―ポストモダンの精神病理 (筑摩選書)

動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学
動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学

『人はみな妄想する――ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』刊行のお知らせ

(4/23追記)書店の店頭に並び始めました。通販サイトの在庫検索は、こちらをお使いください。引き続き、どうぞよろしくお願いします。


 このたび、青土社さんより『人はみな妄想する――ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』という単行本を刊行することになりました。4月23日ごろから書店に並びはじめるようです。

人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-
人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-

 フランスにおけるこれまでのラカン研究の成果を消化し、ラカンを「鑑別診断論」という観点から通史的に読解した上で、現代思想におけるラカンの位置づけの更新を企てる著作です。ラカンとその周辺の大きな見取り図をつくることができたのではないかと考えています。

 構成としては、ラカンを「理論的変遷」という観点から詳細に読解する600枚程度の書き下ろしに、『思想』に書いた2論文(デリダ論含む)と、『現代思想』に書いたガタリ論を付け加えたものになっています。


 素敵な帯文を書いてくださったのは、哲学者の國分功一郎さんと、千葉雅也さんです。
 お二人曰く、

この本は現代思想の諸問題を高解像度の衛星写真のように写し撮る。クローズアップして細部を観察するのも、全体から道順を読み取るのも、読者の操作次第である。我々はここに、思考のための最高のツールをまたひとつ手に入れたのだ。(國分功一郎さん)

こころの問題を考えるすべての人が、本書から決定的なヒントを得るでしょう。かつてなく明晰な、ラカンを深く知るための新基準。(千葉雅也さん)


 上記のように、ありがたいお言葉を頂戴しました。
 ラカンの思想や臨床に興味をもっている方のみならず、ひろく現代思想や人文科学に興味をもっている方々に広くお読みいただければありがたいです。書店などでお見かけの際には、ぜひお手にとってみてください。


 ↓をクリックしていただくと、詳細目次がみられます。

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「第4回 東京精神分析サークル主催コロック」のお知らせ

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第4回 東京精神分析サークル主催コロックのお知らせ

日時: 平成27年3月21日(土・祝) 10時-18時 
場所: 駒澤大学 246会館 7階(国道246号沿い)

参加無料、事前登録不要(どなたでもご参加できます)

 この度、東京精神分析サークルでは、河野一紀氏の『ことばと知に基づいた臨床実践』、小林芳樹氏の『ラカン 患者との対話』、および前回の主催コロックの内容を収録した新思想誌『Νύξ』の刊行を記念して、第四回目となる主催コロックを開催いたします。
 両著作をめぐる合評会に加え、『伝達をめぐる諸問題』と『トラウマ』についてのシンポジウムを用意しました。ラカン精神分析に関心をもつ皆様のご来場をお待ちしております。



 私も登壇します。
 プログラムなど詳細は、東京精神分析サークルのWebサイトにて。

「第3回「精神分析と倫理」研究会――「発達障害」:社会と臨床のつなぎ」のお知らせ

下記の公開研究会が開催されます。ご興味のある方はどうぞお越しください。
私は司会をする予定です。



第3回「精神分析と倫理」研究会――「発達障害」:社会と臨床のつなぎ


日時:2015年3月14日(土)13:00〜18:00
会場:立命館大学衣笠キャンパス 学而館2階 第3研究会室
参加費無料、申し込み不要


プログラム、詳細、お問い合わせは下記へ。
http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/600
立命館大学生存学研究センター - 第3回「精神分析と倫理」研究会――「発達障害」:社会と臨床のつなぎ

『nyx』と『労働と思想』に寄稿しました

 (2/25追記)下記の2冊ですが、amazonでも購入できるようになりました。引き続きどうぞよろしくお願いします。

 (2/10追記)下記の2冊ですが、amazonでは購入できないようになっていますが、版元ドットコムなどで通販できるようです。また、各地の書店でも店頭販売されています。



 堀之内出版から今月発売の『nyx』(ニュクス)と『労働と思想』に寄稿しています。
 
ニュクス
ニュクス

 まず、前者の『nyx』ですが、これはこのたび新たに刊行される思想雑誌です。第一特集が「〈エコノミー〉概念の思想史―アリストテレスからピケティへ」、第二特集が「現代ラカン派の諸論点」です。
 私は、第二特集で巻頭言、翻訳、解題、論考を書いています。特集自体は、前回2014年3月の東京精神分析サークル主催コロックをもとにした原稿で構成されています。
 翻訳は、フロイトの大義派の分析家マリー=エレーヌ・ブルースによる「ラカンディスクール理論からみた普通精神病」という論文を訳出しました。フロイトの大義派の分析家の論文が邦訳されるのは、かなり久しぶりのことだと思います。内容としても、現代における主人のディスクールの変化を、男性の論理から女性(非-全体)の論理への移行として捉えるもので、さまざまな社会現象との関連でも読み応えがあると思います。また、その他の論文も非常に質が高く、とてもよい特集になっているのではないかと思います。

 『nyx』の詳細目次は、こちらからどうぞ。


労働と思想
労働と思想

 次に『労働と思想』ですが、これは以前『POSSE』という雑誌にラカンディスクール理論と労働論について寄稿した論考を、修正の上、再録していただきました。文字通り、「労働と思想」に関する充実した論集です。500頁超とものすごいボリュームですがお値段も安価に仕上がっていると思います。

 『労働と思想』の詳細目次は、こちらからどうぞ。


 2冊ともども、どうぞよろしくお願いします。

『現代思想』2月号に寄稿

 1月26日発売の『現代思想』2015年2月号(特集=反知性主義と向き合う)に、「反知性主義の秘かな愉しみ――現代ラカン派の集団心理学Ⅱ」という論考を書いています。

 『atプラス』21号に寄せた論考の続編のようなもので、昨今の政治状況について「象徴界のフラットな使用」や「統計学超自我」という観点から分析しています。
 どうぞよろしくお願いします。


http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791712809


現代思想 2015年2月号 特集=反知性主義と向き合う
現代思想 2015年2月号 特集=反知性主義と向き合う

「第2回「精神分析と倫理」研究会――「発達障害」論の深化のために」のお知らせ

下記の公開研究会が開催されます。ご興味のある方はどうぞお越しください。
私は「ラカン派における自閉症論」をお話する予定です。



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第2回「精神分析と倫理」研究会――「発達障害」論の深化のために


日時:2014年12月13日(土)13:00〜18:00
会場:立命館大学衣笠キャンパス 学而館2階 第3研究会室
参加費無料、申し込み不要


プログラム、詳細、お問い合わせは下記へ。
http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/600