à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

コレット・ソレール『情動と精神分析 ラカンが情動について語ったこと』刊行

共訳で参加した、コレットソレール『情動と精神分析 ラカンが情動について語ったこと』(Colette Soler, Les affects lacaniens. P.U.F., 2011.)が刊行されました。

欠けていると言われがちなラカンの情動論についての包括的な概説書であるとともに、後半は1970年代後半(=『サントーム』以後)のいわゆる「最後期ラカン」の日本語での初めての紹介になると思います。

目次などの詳細は下記を御覧ください。
情動と精神分析 - 福村出版株式会社


また、お知らせですが、5月から始まった下記のオンライン講座は、「6/9(日)まで第1回目見逃し配信実施中」とのことですので、第1回目を見逃されたという方でも初回分から申し込んでいただけます。詳しくはNHK文化センター京都さんへお問い合わせください。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1290785.htmlwww.nhk-cul.co.jp

NHK文化センターでのオンライン講座(2024年4月~7月)

2024年4月26日から7月26日まで、月1回(全4回)の講座を行います。

  • この講座では、1930年代の精神病理学者たち(いわゆる「第2世代」)の来歴と業績を振り返り、特に精神医療改革運動との関係から位置づけます。
  • その後、中井久夫に焦点をあて、彼の統合失調症論とトラウマ(論)を検討します。
  • レジュメやテクストは講師が準備しますので、それぞれの著作を読んだことが読めない方でも受講していただけます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

www.nhk-cul.co.jp


日本ラカン協会のオンラインセミナーも続いています。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/

朝日カルチャーセンターでのオンライン講座(2024年1月~3月)

2024年1月26日から3月22日まで、月1回(全3回)の講座を行います。

  • この講座では、特に、ラカンや後のラカン派の論者が具体的な精神病理について述べている箇所に注目して、ラカンの議論をなるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
  • ラカンの議論の本質が哲学や思想ではなく臨床にあることを理解し、その上で、臨床以外にどのように応用できるのかを考えて行きます。
  • 2023年10-12月の講座とは独立していますので、新たにご参加いただいても問題ありません。
  • なお、ラカンの文章は、講師による日本語訳や、既存の翻訳(に適宜修正を加えたもの)を使いますので、外国語が読めない方でも受講していただけます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

www.asahiculture.com


日本ラカン協会のオンラインセミナーも続いています。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/

朝日カルチャーセンターで2023年最後のオンライン講座

2023年10月27日から12月15日まで、月1回(全3回)の講座を行います。

  • この講座では、特に、ラカンや後のラカン派の論者が具体的な精神病理について述べている箇所に注目して、ラカンの議論をなるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
  • ラカンの議論の本質が哲学や思想ではなく臨床にあることを理解し、その上で、臨床以外にどのように応用できるのかを考えて行きます。
  • なお、ラカンの文章は、講師による日本語訳や、既存の翻訳(に適宜修正を加えたもの)を使いますので、外国語が読めない方でも受講していただけます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

www.asahiculture.com


日本ラカン協会のオンラインセミナーも始まっています。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/

NHK文化センターで2023年もオンライン講座をやります

2023年4月21日から7月21日まで、月1回(全4回)の講座を行います。

  • 精神病理学(精神医学)の名著を、現代でもそのまま通用する読みどころに絞って概説していきます。
  • 事前にテキストを準備したり、読んでくる必要はありません。
  • 取り上げるのは、中井久夫が西欧精神医学の理解のためヨーロッパ史にふみこんだ書籍から、現象学ハイデガーに影響を受けて現存在分析をあみだしたビンスワンガー、そのビンスワンガーを継承し深化させたブランケンブルク、そしてメランコリー(うつ病)の研究で知られるテレンバッハの代表作です。

オンライン、かつ「10日間の見逃し配信あり」とのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1268795.htmlwww.nhk-cul.co.jp


5月からは、日本ラカン協会のオンラインセミナーも始まります。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/

はてな記法(TeXコマンド)で性別化の式ほかを書く

入力するコマンド 表示
[tex:\exists x\,\overline{Φ x}] \exists x\,\overline{Φ x}
[tex:\forall x\,Φ x] \forall x\,Φ x
[tex:\overline{\exists x}\,\overline{Φ x}] \overline{\exists x}\,\overline{Φ x}
[tex:\overline{\forall x}\,Φ x] \overline{\forall x}\,Φ x
[tex:\require{cancel}\cancel{S}]*1 \require{cancel}\cancel{S}
[tex:\cancel{La}]*2 \cancel{La}
[tex:\xcancel{あった}]*3 はじめにEXCÈSが\xcancel{あった}

これを使うと、

ここできわめて興味深いのは、ラカンが女性の論理の命題(「\overline{\exists x}\,\overline{Φ x}」と「\overline{\forall x}\,Φ x」)を、通常の述語論理ではありえない仕方で記述している点である。通常、述語論理では「∀」や「∃」のような量化記号に否定の記号をつけることはできない(これは、アラン・ソーカルらが『知の欺瞞』のなかでラカンによる論理学の濫用を非難する際に指摘した点のひとつである)。しかし、ここでラカンは、あえて述語論理を逸脱するような量化記号の使用を行い、特に「すべての~」を意味する全称量化記号である「∀」を否定することによって、女性についてまったく新しい規定を行おうとしているのである。ラカンが言わんとしているのは、女性は「すべて」(普遍)を構成しないような論理に依拠している、ということにほかならない。言い換えれば、女性の論理の二番目の命題(「\overline{\forall x}\,Φ x」)は、「すべての女性がファルス関数に従う(去勢されている)わけではない」ことを意味しているのであるが、この場合の否定(「 ̄」)は、「ファルス関数に従う(去勢されている)」ことを否定しているというよりも、むしろ「すべての女性」というものが存在することを否定しているのである。…ゆえにラカンは、女性について「すべてはない(pas-tout)」、あるいは「〔普遍的な「女」と言えるような〕女\cancel{なるもの}は存在しない(\cancel{La} femme n’existe pas)」という規定を与えることになるのである。

みたいに書ける。もちろんTeXでも同じです。


Wordで入力するときはこれ↓を使うと便利です。
https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/240005/b526fc4c2256299c7e8ae47720eb8e17?frame_id=464978

*1:二回目以降は[tex:\cancel{S}]だけで良い。

*2:二回目以降のため前半は省略。

*3:関係ないけどやってみたかっただけ。