à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

朝日カルチャーセンターでのオンライン講座

2025年6月27に、「フロイト『性理論三篇(性理論のための三論文)』(1905年版)を読む」と題したオンライン講座を行います。

フロイトの膨大な著作のなかでも、特に『性理論三篇(性理論に関する三論文)』は、近年のLGBTQ+をめぐる言説でもいまだに参照されています。彼の理論は、異性愛規範主義やファルス中心主義的なものとして批判されることが多いですが、近年、『性理論三篇』の1905年の初版にもとづく新たな読解が登場しています。本講座では、フロイトセクシュアリティ論の概要を押さえた上で、『性理論三篇』がどのように改定されていったかを明らかにし、フロイトの新しい読解の可能性を考えます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
www.asahiculture.com

下記の本の刊行に伴う企画です(好評発売中)。
www.jimbunshoin.co.jp

付録:私たちの研究活動の概況(1933年)

ラカンが自身の初期の研究活動と学位論文『人格との関係からみたパラノイア性精神病』の概要について要約的に記した文章の全訳です。原文は、Lacan, J. Exposé général de nos travaux scientifiques. In De la psychose paranoïaque dans ses rapport avec la personnalité. suivi de Premiers écrits sur la paranoïa. Seuil, 1975, pp. 399-406.

付録:私たちの研究活動の概況(1933年)

 [399]私たちの初期の研究については詳細な分析は行わない。お分かりのように、それらのいくらかは純粋に神経学的なものである(発表1、3、7)。ヒステリーの問題に対する私たちのささやかな貢献(発表2および3)は、現在の研究への過渡的なものだが、まったく精神医学的なものである。当初私たちは、師〔=指導教員であったアンリ・クロード〕が与えてくれた方向性に従い、いくつかの心的な症候群における器質的な条件を明らかにすることに重きをおいていた(発表4、6、10、11、13)。
 私たちは内勤医の最終年度の終わりまで待ってようやく、主要な研究である学位論文のなかで、内勤医時代の年月のなかで病態心理学の問題が我々にとってますます重要になってきたことを明確に表明することができた。

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NHK文化センターでのオンライン講座(2025年5月~8月)

2025年5月17日から8月2日まで、月1回(全4回)の講座を行います。

  • 今回は、基本に立ち返って、記述精神病理学の基礎を築いたクレペリンヤスパース、シュナイダー、シュナイダー以後のハイデルベルク学派の仕事を取り上げます。
  • 彼らのテクストの断片を提示し、解説を加えていきます。
  • 古典的な理論であるため、現代の臨床的観点からすればすこし違和感をもつ箇所があるかもしれませんが、そのような点について再検討しながら講義を進めます。
  • レジュメや参考資料は講師が準備しますので、事前準備は不要です。
  • 主として現代の臨床を扱った前回の講座とは異なる切り口からの講座になりますので、新規受講の方も大歓迎です。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
www.nhk-cul.co.jp

また今回は、現地(京都教室)での受講も可能です。現地受講の場合も見逃し配信がご利用いただけるようです(詳細はNHK文化センター京都さんへ)。
www.nhk-cul.co.jp

ご予約は、お早めに。

近々、こんな本が出ます。
www.jimbunshoin.co.jp

NHK文化センターでのオンライン講座(2025年2月~4月)

2025年2月8日から4月12日まで、隔週(全5回)の講座を行います。

  • この講座では、近年大きな注目を集めている臨床実践、たとえばオープンダイアローグ、アディクションアプローチとハームリダクション、当事者研究制度論的精神療法、あるいはその背景にある「ケア」論などを扱います。
  • それらの実践について簡単に紹介しつつ、その理論的背景やポリティカルな側面について検討します(その際に、精神病理学精神分析が果たす重要な役割が明らかになるはずです。たとえばビンスワンガー、中井久夫ラカンガタリ、ウリ、あるいはフーコーハイデガー等との関連が問題となります)。
  • レジュメや参考資料は講師が準備しますので、事前準備は不要です。
  • 主として古典的な精神病理学を扱っていた以前の講座とは異なる切り口からの講座になりますので、新規受講の方も大歓迎です。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
www.nhk-cul.co.jp

また今回は、現地(京都教室)での受講も可能です。現地受講の場合も見逃し配信がご利用いただけるようです(詳細はNHK文化センター京都さんへ)。
www.nhk-cul.co.jp

ご予約は、お早めに。

コレット・ソレール『情動と精神分析 ラカンが情動について語ったこと』刊行

共訳で参加した、コレットソレール『情動と精神分析 ラカンが情動について語ったこと』(Colette Soler, Les affects lacaniens. P.U.F., 2011.)が刊行されました。

欠けていると言われがちなラカンの情動論についての包括的な概説書であるとともに、後半は1970年代後半(=『サントーム』以後)のいわゆる「最後期ラカン」の日本語での初めての紹介になると思います。

目次などの詳細は下記を御覧ください。
情動と精神分析 - 福村出版株式会社


また、お知らせですが、5月から始まった下記のオンライン講座は、「6/9(日)まで第1回目見逃し配信実施中」とのことですので、第1回目を見逃されたという方でも初回分から申し込んでいただけます。詳しくはNHK文化センター京都さんへお問い合わせください。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1290785.htmlwww.nhk-cul.co.jp

NHK文化センターでのオンライン講座(2024年4月~7月)

2024年4月26日から7月26日まで、月1回(全4回)の講座を行います。

  • この講座では、1930年代の精神病理学者たち(いわゆる「第2世代」)の来歴と業績を振り返り、特に精神医療改革運動との関係から位置づけます。
  • その後、中井久夫に焦点をあて、彼の統合失調症論とトラウマ(論)を検討します。
  • レジュメやテクストは講師が準備しますので、それぞれの著作を読んだことが読めない方でも受講していただけます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

www.nhk-cul.co.jp


日本ラカン協会のオンラインセミナーも続いています。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/

朝日カルチャーセンターでのオンライン講座(2024年1月~3月)

2024年1月26日から3月22日まで、月1回(全3回)の講座を行います。

  • この講座では、特に、ラカンや後のラカン派の論者が具体的な精神病理について述べている箇所に注目して、ラカンの議論をなるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
  • ラカンの議論の本質が哲学や思想ではなく臨床にあることを理解し、その上で、臨床以外にどのように応用できるのかを考えて行きます。
  • 2023年10-12月の講座とは独立していますので、新たにご参加いただいても問題ありません。
  • なお、ラカンの文章は、講師による日本語訳や、既存の翻訳(に適宜修正を加えたもの)を使いますので、外国語が読めない方でも受講していただけます。

オンライン、かつ見逃し配信ありとのことですので、全国各地から受講いただけます。
ご予約は、お早めに。

www.asahiculture.com


日本ラカン協会のオンラインセミナーも続いています。
セミナー – 日本ラカン協会
https://peatix.com/user/15820039/