à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

新刊『創造と狂気の歴史』在庫状況ほか

 新刊『創造と狂気の歴史――プラトンからドゥルーズまで』が発売になりました。



 通販や店頭で探される際には、下記のリンク先の情報をご参考になさってください。Kindleほかの電子書籍も利用できるようです。

→オンライン通販の在庫(Amazon、hontoなど)

http://book.tsuhankensaku.com/hon/isbn/9784065150115

なお、冒頭が下記のサイトでためし読みできるようです。

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000319584

新刊『創造と狂気の歴史——プラトンからドゥルーズまで』刊行のお知らせ

 新刊『創造と狂気の歴史——プラトンからドゥルーズまで』講談社選書メチエより刊行されます。来週、3月12日ごろから書店に並び始めるようです。
 京大の講義をもとにしたものですので、読みやすく仕上がっているはずです。タイトルからわかるようにフーコーの狂気論、特に「外の思考」などで頂点を迎える特定のタイプの「創造と狂気」論を現代から再検討しようとするものです。現代思想入門としても、病跡学(および精神病理学)のパラダイムの再考としても読めると思います。
 詳細目次は下記のとおりです。どうかよろしくお願いいたします。


創造と狂気の歴史



はじめに――創造と狂気は紙一重

第一章 「創造と狂気」の関係を問う

  • 狂気がもたらすプラスの恩恵(1)――症例エメ
  • 狂気がもたらすプラスの恩恵(2)――草間彌生
  • 病跡学とは何か
  • 病跡学の歴史
  • 統合失調症中心主義と悲劇主義的パラダイム
  • 日本における「創造と狂気」論
  • 近代の病としての統合失調症
  • 病跡学の思想史的検討の必要性

第二章 プラトン――神的創造と狂気

第三章 アリストテレス――メランコリーと創造

  • 神的狂気か、メランコリーか
  • 倫理的異常としてのメランコリー
  • メランコリー=天才説
  • ユダヤキリスト教の誕生とダイモーンの変貌
  • 追放されるダイモーン

第四章 フィチーノデューラー――怠惰からメランコリーへ

  • 「うつ」の2つのイメージ
  • 修道生活における「怠惰」
  • 中世の悪魔憑き
  • 「うつ」の価値転倒
  • 《メレンコリアI》
  • ダイモーンに取り憑かれた心

第五章 デカルト――狂気に取り憑かれた哲学

  • 近代的主体は、狂気のなかから生まれる
  • デカルトフィチーノ
  • 3つの夢
  • 「コギト」の根拠は無限に先送りされる
  • デカルトは狂気を追放したのか?

第六章 カント――狂気を隔離する哲学

  • ついに近代的主体が問題となる
  • 神から断絶した子ども
  • 狂気との出会いと「理性の不安」
  • 『視霊者の夢』――狂気と(ふたたび)出会う哲学
  • 純粋理性批判』――統覚と第3アンチノミーにおける狂気
  • 『実用的見地における人間学』――ふたたび狂気を分類する
  • カントの哲学は狂気を隔離できない

第七章 ヘーゲル――狂気を乗り越える哲学

  • デカルト、カント、ヘーゲル
  • 狂気を乗り越える哲学
  • 「絶対知」への疑念
  • 芸術終焉論
  • 表象不可能性による芸術

第八章 ヘルダーリン――ついに統合失調症が現われる

第九章 ハイデガー――詩の否定神学

第十章 ラカン――「詩の否定神学」の構造論化

第十一章 ラプランシュとフーコー――ヘルダーリンと父の問題

第一二章 アルトーデリダ――病跡学の脱構築

第十三章 ドゥルーズ――「詩の否定神学」からの逃走

  • 「出来事」と統合失調症
  • 「一度限りの決定的」な出来事からの逃走
  • 草間彌生横尾忠則
  • すれちがう二人
  • 『意味の論理学』――「深い」文学と「浅い」文学
  • 表面へと向かうドゥルーズ
  • 『批評と臨床』――病跡学的プラトン主義の転倒
  • 現代文学とデータベース
  • ルイス・キャロルの病跡
  • 〈他者〉は存在しない
  • 「コミュニケーションの障害」によるコミュニケーション
  • レーモン・ルーセルの病跡――「手法」による「栄光の感覚」の再現の試み
  • 「手法」による「栄光の感覚」の再現の試み
  • ルイス・ウルフソンの病跡――母国語を殺すこと、あるいは賭博の効能
  • 文学と偶然
  • ドゥルーズの「創造と狂気」論の特徴

おわりに――「創造と狂気」はどこへ向かうのか?


参考文献
初出一覧
あとがき

朝カル新宿での講義

下記のとおり、朝日カルチャーセンター新宿教室で講義を行います。
ラカンのテクストを読むための簡単な基礎からお話する予定です。ぜひお越しください。

2019年2月17日(日)10:30-12:00 「ラカンの精神病論を読む」
2019年2月23日(土)18:30-20:00 「ラカンの主体論を読む」

『現代思想』と『季刊iichiko』に寄稿

 10月末発売の2つの雑誌に寄稿しています。
 『現代思想』 2018年11月号、特集は「「多動」の時代 ―時短・ライフハック・ギグエコノミー」ですが、私はADHDについて短い小論を書いています。


 『季刊iichiko』140号には、「享楽社会とは何か?」を書いています。ラカンフーコードゥルーズの議論(特に安全装置論、管理社会論)の関係を検討するもので、もともとは『享楽社会論』の序論にしようと思っていたものです。
 この号の特集は「ラカンの剰余享楽/サントーム」となっています(手にとって初めて気づいたのですが、新宮さんたちも特集にご協力されているようです。目次などはこちらからどうぞ。)

千葉雅也氏との対談講演会「思弁的実在論と精神分析」開催のお知らせ

 2018年11月29日(木)に、新刊『意味がない無意味』を刊行された千葉雅也氏をお招きし、対談形式の講演会「思弁的実在論精神分析」を京都大学で開催いたします。入場無料、参加自由のイベントですので、ご興味のある方は奮ってお越し下さい。
 詳細はポスターをご参照ください。
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 日時:2018年11月29日(木)16:30-18:00
 場所:京都大学 総合研究3号館 共通155教室(1F)
 入場無料(どなたでもご参加いただけます)

連続研究会「Autres écritsを読む」開催のお知らせ

 当研究室では、現代フランス精神分析思想における諸々の横断的・学際的な研究を活性化させるため、さまざまな分野の研究者・臨床家を招いた連続研究会を開催いたします。今回は、精神分析ジャック・ラカンの第二の主著と呼ばれる『Autres écrits(他のエクリ)』を主なテーマとして取り上げ、それぞれの角度から検討してまいります。
 ご興味のある方は、ふるってご参加ください。いずれの会も、参加無料です(どなたでもご参加いただけます)が、土曜日にあたり建物のドアが閉まっている都合上、お越しの際は必ず定刻にお集まりくださいますよう、お願いいたします
 また、ご参加の方は『Autres écrits』のテクストをお持ちくださるようにお願いいたします


第一回研究会「Autres écritsを読む——哲学の視点から」
2018年10月27日(土)14時~ 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム
司会:松本卓也京都大学
提題者:佐藤朋子(金沢大学)、工藤顕太(早稲田大学
討論:向井雅明(精神分析相談室)


第二回研究会「Autres écritsを読む——心理臨床と精神医療史の視点から」
2018年11月17日(土)14時~ 京都大学人間・環境学研究科棟3F323教室
司会:松本卓也京都大学
提題者:春木奈美子(京都大学)、上尾真道(京都大学
討論:向井雅明(精神分析相談室)


第三回研究会「Autres écritsを読む——思想史と精神病理学の視点から」
2018年12月15日(土)14時~ 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム
司会:松本卓也京都大学
提題者:信友建志鹿児島大学)、松本卓也京都大学
討論:向井雅明(精神分析相談室)


※本研究会は、平成30年度伊藤忠兵衛基金の助成を受けた課題「メンタルヘルス時代の新たな学際的研究における現代フランス精神分析思想の役割」の一環として開催されるものです。問い合わせ等は、こちらまでお願いいたします。

『発達障害の精神病理1』に寄稿

 先日発売になった『発達障害の精神病理1』に「自閉症スペクトラムと〈この〉性」を寄稿しています。本論集は、あの「分裂病の精神病理」シリーズを引き継がんとする意志をもって始められたもので、今のところ3年間の継続が予定されているようです。
 拙論では、自閉症スペクトラムがしばしばアルゴリズム的な理性のあり方として論じられることに対して、それとは全く逆の「heccéité」の観点から自閉症スペクトラムを論じました。

発達障害の精神病理 1
Posted with Amakuri at 2018.10.3
鈴木 國文, 内海 健, 清水 光恵

 非常に読み応えのある論集に仕上がっていると思いますので、ぜひお手にとって見てください。