à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

第二回フロイト思想研究会大会のお知らせ

今月28日に、「第二回フロイト思想研究会大会」というイベントでシュレーバーを論じさせていただく予定です。ぜひお越しくださいませ。

シュレーバーの診断学」抄録より
D.P.シュレーバーは1903年に『ある神経病者の回想録』を出版する。フロイトによるこの著作の独創的な考察によって、彼は「パラノイア」の古典的な症例となった。しかし、80年代から現代に至るまで、フロイトによるこの「パラノイア」という診断は批判されつづけている。精神医学の領域ではDSM-III(『精神障害の診断と統計の手引き』)の操作的診断によって、シュレーバーパラノイアではなく「うつ病気分障害)」であるという議論が盛んである。一方、精神分析の領域では反フロイト主義・反精神医学の潮流にのってシュレーバーの病因を父性に求める議論が批判されている。本論では、シュレーバーをめぐる精神医学・精神分析の文献を参照し、来るべきDSM-Vの動向を踏まえることによって、フロイトによる精神病―メランコリー論が現代の精神医学の流れと一致することを確認し、ここに「フロイトへの回帰」を見出す。また、フロイトがヒステリーの謎を解明する契機となったフリースとの関係が、フロイトシュレーバー論に色濃く影響を与えていることを確認することによって、シュレーバー論をフロイトの自己分析の系譜に位置づける。フロイトシュレーバー論において診断=分析されているのはシュレーバーではなく、むしろフロイト自身がシュレーバーによって診断=分析されているのである。

詳細は以下のURLからお願い致します。
http://www.psy.jinkan.kyoto-u.ac.jp/freud/taikai08.htm
私の出番は、一般演題「精神病理」セクションの2番目です。

盛会のうちに終了いたしました。ご来場の皆様、ありがとうございました。