読書会@専大での指摘のまとめ。
セミネールXI巻の邦訳の訂正箇所を載せていきます。*1(随時更新)
I 破門
邦訳p.10 |
文 |
岩波版 |
解釈学の復権要求 |
訂正案 |
解釈学的復権要求 |
注 |
意味を回復しようとすることの意か |
邦訳p.11 |
文 |
岩波版 |
あらゆる領野の背後にあるはずの一つの単位 |
訂正案 |
あらゆる領野の背後にあるはずの一つの全体 |
注 |
(unité) |
II フロイトの無意識と我われの無意識
邦訳p.23 |
文 |
岩波版 |
私がここでこの哲学の場を借りて話すからといって,これから哲学者として話すわけではありません. |
訂正案 |
私がここでよりいっそう哲学者として話すのは,この場所で話すからではありません. |
注 |
逆の意味. |
邦訳p.23 |
文 |
岩波版 |
今年度は転移についてお話した後で少し触れる |
訂正案 |
今年度は転移についてお話した後で触れる |
注 |
「少し」ではない. |
邦訳p.24 |
文 |
岩波版 |
ランガージュとして |
訂正案 |
ランガージュのように |
注 |
”comme”ではなく”comme un” |
邦訳p.24 |
文 |
岩波版 |
どれほど深く分析を支配しているか |
訂正案 |
どれほど深く分析を方向付けているか |
注 |
(directeur) |
邦訳p.24 |
文 |
岩波版 |
精神分析はその逆説的で奇妙なアポリア的様相にもかかわらず |
訂正案 |
精神分析はその逆説的で特異なアポリア的様相にもかかわらず |
注 |
(singulière) |
邦訳p.26 |
文 |
岩波版 |
力, |
訂正案 |
神秘の次元――すなわち力 |
注 |
訳し落とし. |
邦訳p.26 |
文 |
岩波版 |
原因とは何か |
訂正案 |
原因の機能とは何か |
注 |
訳し落とし. |
邦訳p.28 |
文 |
岩波版 |
一つの現実と――この現実はもちろん決定されえませんが |
訂正案 |
一つのレエルと――この現実は決定されないでいることもできますが |
注 |
(réel) |
邦訳p.28 |
文 |
岩波版 |
日の目を見させることができるわけではないのに |
訂正案 |
日の目を見させることができたわけでもないのに |
注 |
過去. |
邦訳p.29 |
文 |
岩波版 |
それらの人々に攻め囲まれる |
訂正案 |
それらの人々に包囲される |
注 |
(être assiégé) |
邦訳p.30 |
文 |
岩波版 |
ちょっと注意しさえすればよいのです. |
訂正案 |
より近くで見なければいけません. |
注 |
邦訳p.30 |
文 |
岩波版 |
こうして、無意識の特権と見えた性質は失われます。 |
訂正案 |
こうして、意識の特権と見えた性質は失われます。 |
注 |
「son privilege」はおそらく「conscience」を指している。意識の特権についてのE831の記述も参考に。 |
邦訳p.31 |
文 |
岩波版 |
自らを作り出す |
訂正案 |
自ら生じる |
注 |
(se produire) |
邦訳p.32 |
文 |
岩波版 |
ひとり失っても代わりはいくらもある |
訂正案 |
ひとり失っても10人見つかる |
注 |
(dix de retrouvées) |
邦訳p.34 |
文 |
岩波版 |
去勢の恐怖 |
訂正案 |
去勢の脅し |
注 |
(menace) |
邦訳p.34 |
文 |
岩波版 |
自らを把握する |
訂正案 |
把握される |
注 |
? |
邦訳p.34 |
文 |
岩波版 |
裸のままの |
訂正案 |
むき出しにされた,露呈した |
注 |
? |
邦訳p.66 |
文 |
岩波版 |
反復はまず明快ではない形で、再生や現前化として「行為」へと至らない形で現れます。 |
訂正案 |
反復はまず明快ではない形で、自明ではない形で、再生や現前化として「行為」の形で現れます。 |
注 |
「qui ne va pas de soi」は成句「aller de soi/自明である」であって「至らない」ではない。 |