à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

訳稿

目次

随時更新。 断片的なものがほとんどです。改変・修正など自由につかってください。 ラカン『エクリ』より *「《私》の機能を形成するものとしての鏡像段階――精神分析経験が示すもの」(完) LOG 「転移に関する発言」(完) 「精神分析におけるパロールとランガ…

ヒステリー性妄想は統合失調症性妄想[délire dissocié]ではない

J.C. Maleval ――類催眠状態において、人は、私たち皆が夢のなかでそうであるように、精神異常者となる。 J. ブロイアー、S. フロイト 『ヒステリー研究』(ちくま学芸文庫, p.27.) 《私はあなたにこの恐ろしいことを語らなければなりません。私の父は一つの理…

「(『精神分析の四基本概念』の)文脈と概念」

Context and Concept ジャック=アラン・ミレール (前半は割愛) (……) 私たちに残された限りある時間の中で、四つの基本概念について考えてみましょう。まずはじめに、無意識を取り上げます。このフロイトの概念は自我心理学者たちによって完全に無視され…

女性のセクシュアリテについての会議のための指針的意見

E731 (……) VIII、不感症と主体的構造[La frigidite et la structure subjective] 1、不感症――その領域がどれほど広がろうとも、また不感症の一時的形態を考慮に入れるとかなり一般的になることになりますが――は、神経症を決定する無意識の構造全体を前提…

精神分析におけるパロールとランガージュの機能と領野(ローマ講演)

Fonction et champ de la parole et du langage en psychanalyse E247 (……) I、主体の精神分析的現勢化[realisation]*1における空虚なパロール[parole vide]と充溢したパロール[parole pleine] ―― Donne en ma bouche parole vraie et estable et fay de mo…

フロイトの無意識における主体の転覆と欲望の弁証法

Subversion du sujet et dialectique du desir dans l'inconscient freudienE793 …E794 … 以上のことから——ここで注意しておくべきであるのだが——、まったく教育的な目的でヘーゲルを参照することが要求される。それは、私たちの〔分析家の〕養成のために、…

無意識の位置

Position de l'inconscient E829 ボンヌヴァル会議にて。1960年の発表を1964年に書き直した。 フランス精神医学界を支配する権威を持つアンリ・エーは、フロイトの無意識をテーマとして、ボンヌヴァル病院における彼の部門に、非常に幅広い専門家を集めた(1…

「ラカンの臨床的観点への導入」

An Introduction To Lacan's Clinical Perspective, in Reading Seminars I and II, pp.241-247 ジャック=アラン・ミレール→「精神分析サークル」へ移転しました。

ランガージュと他者性

The Lacanian Subject: Between Language and Jouissance 《他者》の言い間違い ある患者が彼の分析家のオフィスを訪れ、肘掛け椅子に腰掛ける。患者は分析家の目をまっすぐに見つめ、前回のセッションの終わりに中断した部分から話の筋を再開する。そしてす…

ファルスの意味作用

E685-695 Die Bedeutung des Phallus(La signification du Phallus) *1 *2 E685 私はパウル・マテュセック教授に招かれ、1958年5月9日にミュンヘンのマックス・プランク研究所においてドイツ語で講演を行いました。以下に、そのテクストを改変なしに掲載しま…

治療の方向付けとその能力の諸原則(断片)

La direction de la cure et les principles de son pouvoir 1958年7月10〜13日、ロワイヨーモン討議の報告 E585 I、今日、誰が分析をするのか[Qui analyse aujourd'hui?] 1、分析が分析主体の人格の指標を担っているということが、当たり前のことのように…

無意識における文字の審級、あるいはフロイト以降の理性(断片)

E493-E528 L'instance de la lettre dans l'inconscient ou la raison depuis Freud E495 1 文字の意味 われわれの表題が言おうとしているのはこういうことです。すなわち、このパロールの向こうに、精神分析の経験が無意識のなかに発見するのは、ランガー…

《私》の機能を形成するものとしての鏡像段階――精神分析経験が示すもの

一九四九年七月十七日、チューリッヒにおける第十六回国際精神分析会議において行われた報告*1 [E93] 十三年前に行われた前回の国際精神分析会議において、私は鏡像段階の概念を紹介しました。それからというもの、フランスのグループの実践のなかでこの概念…

「翻訳者の緒言 Translator's note」p.vii-xii

Ecrits : A Selection, translated by Alan Sheridan Ecrits作者: Jacques Lacan出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc発売日: 1982/10メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る※アラン・シェリダン訳Ecritsの序文(セミネールXI英訳にも収録) こ…