à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

12月8日(土) 東京精神分析サークル主催コロックのお知らせ

明日、12月8日(土)に東京の駒澤大学にて、「第2回東京精神分析サークル主催コロック」が開催されます。今回は、向井雅明氏の『考える足─「脳の時代」の精神分析』、そして『天使の食べものを求めて─拒食症へのラカン的アプローチ』の出版記念で、自閉症、…

『天使の食べものを求めて―拒食症へのラカン的アプローチ』に解説を寄稿しました

今月(2012年11月)、三輪書店より翻訳書『天使の食べものを求めて―拒食症へのラカン的アプローチ』が刊行されました。監修は加藤敏氏、監訳が向井雅明氏。私は25頁ほどの解説を寄せています*1。天使の食べものを求めて―拒食症へのラカン的アプローチamazon…

『ユリイカ』2012年11月号に寄稿

『ユリイカ』2012年11月号(特集=横尾忠則)に「YOKOO avec KUSAMA」を寄稿しました。 横尾忠則と草間彌生の伝説の対談をもとに、両者を「病に対する態度」という観点から論じています。どうぞよろしくお願いします。 ユリイカ2012年11月号 特集=横尾忠則見…

日本ラカン協会ワークショップのお知らせ

来週末、10月28日(日)14時から専修大学神田校舎で開催される、第14回日本ラカン協会ワークショップ「フロイト=ラカンによる「うつ」」に参加します。 私は、「フロイトのうつ病論―Aktualneuroseをめぐって」というお話をします。 フロイト=ラカンによる…

エリック・ロラン氏来日公演@京都大学のお知らせ

あまり情報が共有されていないようですので、当blogでもお知らせを。以下、京都大学人文科学研究所からの引用です。 2012年10月12日金曜日、18時00分-20時00分、京都大学人文科学研究所本館4階大会議室にて、公開講演会「ジャック・ラカンと精神分析家の育…

『ユリイカ』2012年9月号に寄稿

『ユリイカ』2012年9月号に小論「言語の病理の行方」を寄稿しました。 統合失調症と発達障害における言語、ラカン、ドゥルーズなどについて少々論じています。どうぞよろしくお願いします。ユリイカ2012年9月号 特集=岩井俊二 『Love Letter』『スワロウテイ…

『思想』2012年8月号に寄稿

blogでの紹介を忘れていましたが、『思想』2012年8月号に「ラカン派の精神病研究 ——「精神病の鑑別診断」から「普通精神病」へ——」を寄稿しました。 内容は、昨年にUTCPでお話したものを改稿したものです。そろそろ大学図書館にも入る頃だとおもいますので、…

精神病と創造性についてラカンは何を語ったか (2011年発表原稿)

2012年6月23日(土)・24日(日)に、第59回日本病跡学会総会が東京藝術大学で開催されます。 http://www.geidai.ac.jp/event/pathography2012/index.htmlお時間のある方は、どうぞお越しください。 開催にちなみ、と言ってはなんですが、期間限定で、昨年の…

『二人であることの病い』について

はてなブログに移行しました。今後ともどうぞよろしくおねがいします。二人であることの病い パラノイアと言語 (講談社学術文庫) 以前amazonに書いたこの本のレビューを、少々加筆して転載します。 この論文集『二人であることの病い』に収録された1930年代…

「ラカン学派の精神病研究――「精神病の鑑別診断」から「普通精神病」へ」

UTCP(21世紀COEプログラム「共生のための国際哲学交流センター」)の企画で,東大駒場キャンパスでお話させていただきます. 「ラカン学派の精神病研究――「精神病の鑑別診断」から「普通精神病」へ」というタイトルです. 日時: 2011年11月25日(金)18:00…

「症状精神病のメタサイコロジーにむけて」抄録

来たる10月14日に,「第34回日本精神病理・精神療法学会」にて,ラカンに関連する演題を発表させていただく予定です.以下に抄録を公開します. 第34回日本精神病理・精神療法学会 パネルディスカッションIII-P-5-2(10月14日午前) 症状精神病のメタサ…

ヤスパース『ストリンドベルクとファン・ゴッホ』における「要素現象」

以前,「要素現象(phénomène élémentaire)」というラカンの用語が,実はヤスパースの『精神病理学総論』に登場する「elementares Phänomen」という用語に由来するものである,ということを紹介した.その後にパリ留学中の精神科医の知人から教えていただい…

10月に2つの学会発表を行ないます

10月7日,10月29日に,それぞれ「第33回日本精神病理・精神療法学会」「第14回精神医学史学会」にて,ラカンに関連する演題を発表させていただく予定です. 内容としましては,精神病理学会のほうでは,今年当blogで取り上げたラカンの「要素現象」につ…

『精神病』についてのあれこれ――パロールを捉える?

ラカンの『精神病』のセミネールは,いまだ統合失調症の病理を考える上で重要なツールであり続けていると私たちは考える.とりわけ「精神病の精神分析」と銘打ちながらも,実際はヒステリーの重症例の分析であるような分析,つまりは神経症の重症例を「精神…

『人格との関係からみたパラノイア性精神病』を読む際に注意すべきこと――signification personnelleとは何か

前回は,Lacanの学位論文『人格との関係からみたパラノイア性精神病』から『精神病』にまで出てくる「要素現象(phénomènes élémentaires)」という概念が,元来はJaspersのものであることを紹介した. Lacanの学位論文の中では,この用語は「要素的」の他に,…

phénomènes élémentairesとヤスパース

最近は,縁あって頂いた仕事上の必要から「要素現象(phénomènes élémentaires)」を研究している.これは,これまでラカンのセミネールでは「基礎的現象」として訳されてきた言葉であり,『精神病』のセミネールのはじめから頻出する用語であるので,よく目に…

『アンコール』第四講試訳

読書会@駒場のための試訳を公開します。『アンコール』の第四講(Seuil版の第三講)前半部分です。Encore, Leçon IV (前半) 9 janvier 1973 Editions de l'Association Lacanienne Internationale. それでは,皆さんに新年の祝辞を述べます.まだ定刻では…

Google Booksで1844〜1868年の「Allgemeine Zeitschrift für Psychiatrie」が全て読める

http://books.google.com/books?q=editions:OCLC1479160&id=6HpO_9cItBIC&hl=ja&source=gbs_book_other_versions_r&cad=2_1私の読みたかった1878年のWestphalのパラノイア論は残念ながら読めないのですが、1844〜1868年分は閲覧可、および全文PDFにてダウン…

Formations, pp.174-176

某所の読書会用に作成した試訳です。何かのご参考にどうぞ。Les formations de l'inconscient, pp.174-176 さて、父はここで現実的な対象ではありません。たとえ父が現実的な対象として、去勢を具体化するために介入しなければならないとしても同じことです…

第二回フロイト思想研究会大会のお知らせ

今月28日に、「第二回フロイト思想研究会大会」というイベントでシュレーバーを論じさせていただく予定です。ぜひお越しくださいませ。 「シュレーバーの診断学」抄録より D.P.シュレーバーは1903年に『ある神経病者の回想録』を出版する。フロイトによるこ…

21世紀のシュレーバー研究

精神医学の世界でもっとも古くから刊行されている雑誌の一つである『神経精神疾患ジャーナル(The Journal of Nervous and Mental Disease)』誌の2007年8月号に、「シュレーバーのうなり声の奇蹟」*1と題された論文が掲載されている。 著者グレーム・マーティ…

『ファンタスムの論理』試訳

読書会@駒場のための試訳を公開します。『ファンタスムの論理』の第六講前半部分です。 La Logique du Fantasme, Editions de l'Association Lacanienne Internationale, pp.109-114.p.109 前回は、私がたくさんの小さな試練を耐えることができるということ…

セミネールXI巻 訂正案

ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念posted with amazlet at 12.01.13ジャック ラカン 岩波書店 売り上げランキング: 282501Amazon.co.jp で詳細を見る読書会@専大での指摘のまとめ。 セミネールXI巻の邦訳の訂正箇所を載せていきます。*1(随時更新) I…

『R.S.I.』からのメモ

エディプス・コンプレックスという心的現実が、サンボリック、イマジネール、レエルの三つの輪をつなぎとめる新たな結び方として提示される箇所からの抜き書き。訳は適当。 四項を持つこと、これはフロイト自身は出来なかったことですが、分析において問題に…

最近の刊行物まとめ

ところで、最近、精神病理/ラカン関係の著作物が続々と刊行されているので、気がついたものだけ整理しておきます。 精神病理学の蒼穹posted with amazlet at 12.01.13小出 浩之 金剛出版 売り上げランキング: 851284Amazon.co.jp で詳細を見る セミネール他…

グリージンガーへの回帰?

DSM-V(2011年に発表が予定されている「精神障害の診断と統計の手引き」)が凄いことになっている。「精神病を脱構築する[Deconstructing Psychosis]」というDSM-V改定のための中間報告が出ており、そこでは統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害、ならびに…

Formations, pp.158-159

某所の読書会用に作成した試訳です。何かのご参考にどうぞ。 事後に訂正と注の付けたしをしました。(4/14)Les formations de l'inconscient, pp.158-159 Bien entendu, il y a tout un stock, tout le bagage des images. Ouvrez pour le savoir les livres …

AMPのサイトで読める仏語分析論文のまとめ #1

AMP(http://www.wapol.org/index.html)のサイトから辿っていく方法では見つけられない論文が結構あるようなので、C#.NETでスクリプトを組んであさってみました。 スペイン語の文献は除いてあります*1が、適当に作ったので不具合などあるかもしれません。 順…

AMPのサイトで読める仏語分析論文のまとめ #2

195:Jacques-Alain Miller "Vers un signifiant nouveau [1]Le dispositif de la passe" 1132:Jacques-Alain Miller, Edwy Plenel "Combat contre le cognitivisme, par Jacques-Alain Miller" 503:Jean Birnbaum "La psychanalyse travaille sa defense" 90…

AMPのサイトで読める仏語分析論文のまとめ #3

743: "La Cause freudienne - Citoyen Simptôme" 1200: "La Cause freudienne - Notre sujet supposé savoir" 557: "La Cause freudienne N° 65" 480: "La Cause freudienne n°64" 1036: "La lettre en ligne n° 40" 1134: "La lettre en ligne N° 43" 1155:…

Formations, pp.156-157

某所の読書会用に作成した試訳です。何かのご参考にどうぞ。Les formations de l'inconscient, pp.156-1573Je vais maintenant vous mettre au tableau le petit schema par lequel j'introduirai ce que je vous dirai la prochaine fois, et qui nous perm…

ラカンのエディプス・コンプレックス論 (2) 抑鬱ポジションとフリュストラシオン

「フリュストラシオン」について考察している箇所です。こちらからPDFの完全版がご覧になれます。 クラインはごく初期から前エディプス期への興味を持っていた。クラインはフロイトのように自由連想と夢の解釈を行うだけではなく、自由に話すことのままなら…

ラカンのエディプス・コンプレックス論 (1)エディプスから前エディプスへ

こちらからPDFの完全版がご覧になれます。 1897年10月15日、エディプス・コンプレックスを発見したフロイトは友人ヴィルヘルム・フリースに宛てて、やや興奮気味に次のような手紙を書き送っている。 僕は母親への惚れ込みと父親への嫉妬を僕の場合にも見つけ…

セミネール5巻のレフェランス

文献リンクをいくつか。ラカンが『無意識の形成物』のセミネールで参照している論文のうち、オンラインで参照できるものを以下にリンクしておきます。 Horney, K. (1924). On the Genesis of the Castration Complex in Women. Int. J. Psycho-Anal., 5:50-6…

La Cause FreudienneとQuatroのCD-ROM

"La Cause freudienne"のn°1〜n°55、"Quarto"のn°1〜n°80/81までの集成CD-ROMが昨年末に発売されているようです。再販に同意しなかった人の論文は収録されていないようです。ECFの図書館とwww.ecf-echoppe.orgで独占販売とのことです。 日本まで送料込みで12…

ディラン・エヴァンス紹介

An Introductory Dictionary of Lacanian Psychoanalysis作者: Dylan Evans出版社/メーカー: Routledge発売日: 1996/05/02メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (1件) を見るディラン・エヴァンスは1966年イギリスの生まれ…

フィンクの臨床論を読む(2)

引き続き、ブルース・フィンク『臨床ラカン派精神分析入門[A Clinical Introduction To Lacanian Psychoanalysis]』*1から。前回取り上げた「欲望」について議論される第5章を参考に論じていきましょう。 精神分析はどのような意味で「親離れ」であるか 「親…

フィンクの臨床論を読む(1)

以前にもご紹介したBruce Finkによるラカン派の臨床についての著作は、id:rothko様たちのグループの手によって、すでに翻訳が完了しているとのことです(2008年6月誠信書房より刊行)。本書の邦訳の刊行は、日本ではあまり知られていない「ラカン派の臨床」…

カトリーヌ・クレマン『フロイト伝』

フロイト伝作者: カトリーヌクレマン,Catherine Cl´ement,吉田加南子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 訳者は詩人の吉田加南子さん、解説は十川幸司さんです。 十川さんの解説による…

この秋、気になるイベントが目白押しです

ジル・ドゥルーズと音楽 Date:2007年10月23日(火) 18:00〜20:00 Place:東京大学駒場キャンパス18号館4階 コラボレーションルーム4 [地図]リシャール・ピナス氏は作曲家、ギタリストにして、フランスの実験音楽を代表する音楽家の一人。彼はジャン=フ…

ジジェク「欲望:欲動=真理:知」の試訳をアップしました

⇒ スラヴォイ・ジジェク「欲望:欲動=真理:知」 「解釈」と「構成」を軸にしたジジェク流のチャート式臨床論と、ハイデガーの『技術論』を絡めて論じており、なかなか読ませます。最後はジジェクらしい下世話な小話がついていて、楽しめるかと思います。 …

ミレール「文脈と概念」の試訳を公開しました

ミレール「文脈と概念」の抄訳を公開しました。もともとは英語版セミネールXIの序文であり、後に「Reading Seminar XI」に収録されたテクストです。 Reading Seminar XI: Lacan's Four Fundamental Concepts of Psychoanalysis : Including the First Englis…

エルンスト・クリスの症例とラカンのアクティング・アウト論(3)

ラカンによるクリスへの言及 ここまで二回にわたってエルンスト・クリスの論文「自我心理学と精神分析療法における解釈」を読んできた。この論文の三章「計画立てと直観[Planning and Intuition]」にも興味深い点があるが*1、ひとまずここで終えて、ラカンの…

エルンスト・クリスの症例とラカンのアクティング・アウト論(2)

エルンスト・クリスの症例 エルンスト・クリスの論文「自我心理学と精神分析療法における解釈」の第二章「例証[Illustrations]」に移ろう。 ここでクリスは先に見た「深層の分析(エス分析)」と「表面の分析(防衛の分析)」の違いと、そこからえられる臨床…

エルンスト・クリスの症例とラカンのアクティング・アウト論(1)

何回かに分けて、クリスの「自我心理学と精神分析療法における解釈」と、それに対する「幻想の論理」のセミネールでのラカンの反論(1967/3/8)までを読んでいきます。 エルンスト・クリスの「表面[surface]の分析」 ラカンの精神分析理論は、当時主流となって…