à la lettre

ラカン派精神分析・精神病理学に関するいろいろ

フロイト

Google Booksで1844〜1868年の「Allgemeine Zeitschrift für Psychiatrie」が全て読める

http://books.google.com/books?q=editions:OCLC1479160&id=6HpO_9cItBIC&hl=ja&source=gbs_book_other_versions_r&cad=2_1私の読みたかった1878年のWestphalのパラノイア論は残念ながら読めないのですが、1844〜1868年分は閲覧可、および全文PDFにてダウン…

第二回フロイト思想研究会大会のお知らせ

今月28日に、「第二回フロイト思想研究会大会」というイベントでシュレーバーを論じさせていただく予定です。ぜひお越しくださいませ。 「シュレーバーの診断学」抄録より D.P.シュレーバーは1903年に『ある神経病者の回想録』を出版する。フロイトによるこ…

21世紀のシュレーバー研究

精神医学の世界でもっとも古くから刊行されている雑誌の一つである『神経精神疾患ジャーナル(The Journal of Nervous and Mental Disease)』誌の2007年8月号に、「シュレーバーのうなり声の奇蹟」*1と題された論文が掲載されている。 著者グレーム・マーティ…

カトリーヌ・クレマン『フロイト伝』

フロイト伝作者: カトリーヌクレマン,Catherine Cl´ement,吉田加南子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 訳者は詩人の吉田加南子さん、解説は十川幸司さんです。 十川さんの解説による…

「ねずみ男」についてのインデックス

※セミネール邦訳分まで作成 1953年の論文「神経症者の個人的神話[Le Mythe individuel du nevrose ou poesie et verite dans la nevrose]」には、ねずみ男の分析と、「父の名」についての言及が見られる。このテクストはここ(Word文書)とここ(HTML文書)で見…

「狼男」についてのインデックス

※邦訳11巻まで完了1952-1953年にかけて、ラカンは「狼男」についてのセミネールを行っている(未刊行) このセミネールのTranscriptionはここにある。ローマ講演での歴史-再認概念などが既に見られることなど、注目に値する。 『エクリ』 E256「ローマ講演」…

フロイト「分析における構成の仕事」

フロイト著作集, 9巻 症例・技法編, pp.140-151 フロイトは論文の冒頭からある問題に触れている。 〔ある研究者が〕われわれの分析技法にたいして、不当であると同時にそれを傷つけさえするような見解を表明したことがあった。(……)すなわち、もし患者がわ…

症例ドラについてのインデックス

1951-1952年にかけて、ラカンは「ドラ」についてのセミネールを行っている(未刊行)。 これをもとにしたのが「転移に関する発言」であると思われる。 『エクリ』 E215-226 「転移に関する発言」:ドラ論 E290「ローマ講演」 象徴的解釈とドラ、鼠男、狼男 E…

フロイト「女性の性愛について」まとめ

S.フロイト, 女性の性愛について, 『エロス論集』(ちくま学芸文庫), pp.331-359 どのようにして女性は父親を対象とするようになるか 正常なエディプス・コンプレックスの段階では、子供は異性の親に情愛をもって愛着しているが、同性の親に対しては敵意の方…

フロイト「エディプス・コンプレックスの崩壊」まとめ

S.フロイト, エディプス・コンプレックスの崩壊, 『エロス論集』(ちくま学芸文庫), pp.297-307 エディプス・コンプレックスはどのようにして崩壊するか? この問いに答えるには二つの理論がある。 (1)苦痛を伴う失望が突然のように主体を襲い、崩壊する コン…

分析における構成の仕事

この文脈で、分析における「解釈」「構成」を語ればどうなるだろうか。 解釈によって、性的虐待の主題が再構成されることをフロイトは発見した。最初は、フロイトは「ヒステリーの原因は幼児期の性的暴力のもたらした外傷である」という学説を発表するにいた…